リアルタイム音声翻訳を、すべての人に。「声から声へ」伝わる新機能を公開しました

私たちがこの機能をつくるまで
私たちは何年ものあいだ、声から声へのリアルタイム音声翻訳の開発に取り組んできました。
JotMeを立ち上げた当初から、言語をまたいで自然に「話せる」ことは、グローバルビジネスで最も重要なインターフェースのひとつになると信じていました。しかし、技術がまだ追いついていませんでした。
- 音声の生成に時間がかかる。
- 翻訳が文脈を保てない。
- 声が機械的で不自然に聞こえる。
- 遅延が会話の流れを壊してしまう。
- そして何より、コストが見合わない。
こうした制約があったため、私たちはこの機能を広く提供することを見送ってきました。それでも、先進的な一部のエンタープライズのお客様が私たちとの実験に付き合ってくださり、その伴走の中で開発を続けられたことは、私たちにとって大きな財産です。
状況が一変したのは2026年5月8日。OpenAIがGPT-Realtime-2を発表した日です。
AIが、こちらがまだ話している最中に聞き取り、考え、声で返せるようになりました。音声インタラクションは「デモ」の段階を超え、「インフラ」と呼べるものになったのです。
それでも、音声翻訳がグローバルビジネスの基盤(OS)の一部になるためには、解決すべき大きな課題が2つ残っていました。
1. リアルタイムの業務コンテキスト
翻訳は言語の問題ではありません。コンテキスト(文脈)の問題です。
通訳する側は、誰が話しているのか、どのプロジェクトの話なのか、社内用語、顧客名、製品名、過去の意思決定、チームの構成——そうした背景を知っている必要があります。
コンテキストがなければ、どれほど優れたモデルでも誤訳をします。仕事の場で正しく伝えるには、AIも、従業員が毎日使っているのと同じ業務知識にアクセスできなければなりません。
2. 音声をどう届けるか
2つ目の課題は、意外にも実務的なものでした。翻訳された音声を、会議・イベント・ウェビナー・商談・顧客対応の場に、どうやって届けるかという問題です。
この1か月、私たちはこの2つの課題の解決に集中してきました。そして今日、その成果をすべての方にお届けします。
この技術はグローバルビジネスに何をもたらすのか
これまで個別のカスタム導入と年間5万ドル以上の契約が前提だった技術を、今日から誰でも使えるようになります。
ただ、私たちが心を動かされているのは、先端技術の民主化だけではありません。
何十年ものあいだ、言語をまたぐコミュニケーションは、翻訳者や通訳者、そして何層にも重なる伝達に支えられてきました。人の手を経るたびに、遅れと誤解が生まれ、文脈が少しずつ失われていきます。
声から声への音声翻訳は、それを変えると私たちは信じています。一人ひとりが自分の言語で自然に話し、AIがリアルタイムで翻訳する。会話の裏にある本来の意図や意味が、これまでよりずっと多く残ります。
「背中お絵かき伝言ゲーム」をご覧になったことがあるでしょうか。ひとりが相手の背中に指で絵を描き、描かれた人がそれを紙に再現する遊びです。最後に出てくる絵は、元の絵とは似ても似つかないものになっていることがよくあります。

言語をまたぐコミュニケーションも、長いあいだ同じ構造でした。いま私たちは初めて、その「層」を取り除きはじめています。
なぜJotMeの音声対音声リアルタイム翻訳なのか
JotMeは仕事の会話のために作られています。仕事の場でAIに必要なのは、言葉だけではありません。製品名、顧客名、プロジェクトの経緯、チーム内の用語、過去の議事録といった業務コンテキストです。この文脈があるからこそ、会話が進んでいる最中でもビジネス上の意味が保たれ、翻訳は実務で本当に役立つものになります。
また、JotMeはプラットフォームを選びません。Zoom、Google Meet、Microsoft Teams、イベント会場、教室、対面——会話がどこで起きても、JotMeのデスクトップアプリがそのワークフローを支えます。100以上の入力言語(話し言葉)に対応し、翻訳音声の出力は13言語:中国語、英語、フランス語、ドイツ語、ヒンディー語、インドネシア語、イタリア語、日本語、韓国語、ポルトガル語、ロシア語、スペイン語、ベトナム語です。
音声対音声の翻訳中も、JotMeはリアルタイムの文字起こしとテキスト翻訳を表示し続けます。会議が終わると、文字起こしはAI議事録とともに保存され、一つひとつの会話が、チームで検索・参照・積み上げできる多言語のナレッジベースになっていきます。
リアルタイム音声翻訳の使い方
JotMeの音声対音声翻訳は、音声の取り込み、翻訳音声のルーティング、AI音声のリアルタイム再生が必要になるため、PC(デスクトップアプリ)でのワークフローになっています。アプリ内では音声対音声AI翻訳(Speech-to-Speech AI Translation)メニューの中にあります。
使いはじめる前に、話す言語(Spoken Language)でFast (Audio)を選択し、高速翻訳の言語(Fast Translation Language)を選んでから、Speech-to-Speechメニューに戻ってください。
音声翻訳は多くの話し言葉を自動で聞き分けますが、翻訳された音声の出力は現在、次の言語に対応しています。
中国語(簡体字)、英語、フランス語、ドイツ語、ヒンディー語、インドネシア語、イタリア語、日本語、韓国語、ポルトガル語、ロシア語、スペイン語、ベトナム語
モード1:オンライン会議(Online Meeting)
Zoom、Google Meet、Microsoft Teams、WhatsApp、ウェビナー、商談、顧客対応、面接、社内会議など、会議アプリの中で翻訳音声を使いたいときはOnline Meetingを選びます。
Online Meetingでは、3つの翻訳方向を選べます。
双方向(Two-Way)
お互いに音声翻訳が必要なときに使います。
- 相手の発言が、自分の選んだ言語で聞こえます。
- 自分の発言が、相手の選んだ言語で相手に届きます。
- JotMeは、会議から入ってくる音声と、外に出ていく翻訳音声を別々にルーティングします。
- バイリンガルの会議、顧客との通話、交渉、研修、面接、サポート対応に最適です。
Macでの双方向利用にはBlackHole 2chとBlackHole 16chが必要です。会議のスピーカーはBlackHole 2chを、会議のマイクはBlackHole 16chを経由するように設定します。
WindowsではVB-CABLEとVirtual Audio Cable Line 1を使います。選択したモードに合わせてJotMeが正しいデバイスを画面に表示するので、アプリ内のセットアップ手順に従ってください。
聞くだけ(Listening Only)
翻訳された音声を聞くだけでよいときに使います。
- JotMeが会議音声またはシステム音声を取り込みます。
- 翻訳された音声が、ヘッドホンやスピーカーから再生されます。
- 自分のマイク音声は文字起こし・翻訳されません。
Macでは音声の取り込みにBlackHole 2chを使います。WindowsではVB-CABLEのキャプチャデバイスを使います。
話すだけ(Speaking Only)
自分は自分の言語で話し、相手には翻訳された音声を聞いてもらいたいときに使います。
- JotMeが自分のマイク音声を取り込みます。
- 翻訳された音声を会議アプリに送り込みます。
- 他の参加者の音声は文字起こし・翻訳されません。
Macでは、会議アプリのマイクをBlackHole 2chに設定します。WindowsではCABLE Output(VB-Audio Virtual Cable)に設定します。
必要な仮想オーディオドライバが見つからない場合、モードの切り替えと開始ボタンは、デバイスが検出されるまで無効のままになります。インストール後はPCを再起動してください。
モード2:その他(Other)
会議アプリを経由しない音声には「Other」を使います。
マイク音声
次のような場面で使えます。
- 対面での会話
- ライブイベント
- インタビュー
- 授業・講義
- ブースでのデモ
- 現場での作業
システム音声
次のような場面で使えます。
- 動画
- ライブ配信
- ウェビナー
- 研修教材
- ポッドキャスト
- PCで再生中のあらゆる音声
Otherの各モードでは、翻訳音声を会議アプリに送り返す必要がないため、仮想オーディオのルーティングは不要です。
モード3:共有(Sharing)
参加者それぞれのデバイスで翻訳を受け取ってもらいたいときはSharingを使います。
- URLで共有:誰でもブラウザでライブ翻訳を開けます。
- コードで共有:JotMeデスクトップアプリのユーザーは、コードを入力して参加できます。
- QRコードを表示して、すばやくアクセスしてもらえます。
- 参加者は自分の好きな言語を選べます。
- 対象となるFast・Premiumセッションでは、ホストが参加者側の音声対音声翻訳を有効にできます。この場合、参加者1人あたり5倍の翻訳時間(分数)を消費します。
Sharingは、イベント、教室、ウェビナー、研修、工場見学、顧客向けデモ、そして参加者ごとに希望する言語が異なる多言語会議で役立ちます。
JotMeのリアルタイム音声翻訳が活躍する場面
多言語チームの会議
グローバルチームにとっての最大の課題は、言語そのものだけではありません。スピードです。発言をためらう、誰かの通訳を待つ、会議の言語に自信がなくて黙ってしまう——そんな場面は少なくありません。声から声への翻訳があれば、一人ひとりが自然に話し、他の参加者はそれぞれ一番理解しやすい言語で会話を追えます。
グローバルの商談
商談は、タイミング・トーン・信頼で決まります。逐次通訳で会話のテンポを落とすのではなく、見込み客やお客様と自分の言語のまま直接話し、JotMeがリアルタイムで翻訳します。
カスタマーサポート・カスタマーサクセス
サポートチームには、緊急の問い合わせを素早く理解することが求められます。音声翻訳があれば、エスカレーション対応、オンボーディング、契約更新、技術トラブルの切り分けを、通訳者の手配を待たずに進められます。
海外採用・面接
優秀な候補者が、第二言語での面接でも力を発揮できるとは限りません。声から声への翻訳があれば、採用チームと候補者が明確に意思疎通できます。技術面接、カルチャーフィットの対話、グローバル採用のプロセスで特に有効です。
イベント・ウェビナー
イベントでは、翻訳音声のチャンネルが1つだけでは足りないことがほとんどです。URLやQRコードでの共有を使えば、参加者は自分のデバイスから好きな言語で聞けるため、ウェビナー、パネルディスカッション、ライブセッションがより多くの人に開かれたものになります。
教育・研修
教室、ワークショップ、社内研修では、言語の壁が静かに人を置き去りにします。リアルタイムの音声翻訳があれば、学生・従業員・受講者が複雑な説明にもその場でついていけます。
製造業・サプライヤーとの連携
工場視察、品質レビュー、サプライヤーとの会議、技術研修には専門用語がつきものです。JotMeの業務コンテキストにより、製品名から工程の細部まで、翻訳が実際の業務に即したものになります。
旅行・ホスピタリティ
ホテル、ツアー会社、イベントスタッフなど、ゲストと接するチームには言語をまたいだ素早いコミュニケーションが欠かせません。音声翻訳は、ゲストとのその場の会話、ベンダーとの調整、ガイド付き体験、クレーム対応の場面を支えます。
コンテンツレビュー・メディアワークフロー
JotMeは会議の外でも使えます。動画、ライブ配信、ポッドキャスト、研修教材、録画コンテンツのシステム音声をそのまま翻訳できるため、先に文字起こしを済ませなくても、多言語でのレビューを素早く進められます。
おわりに
働き方を変える技術は、登場してみると拍子抜けするほどシンプルに見えるものです。声から声へのリアルタイム音声翻訳も、そのひとつになると私たちは信じています。皆さんがこの技術で何を生み出すのか、いまから楽しみです。フィードバックやエンタープライズ導入のご相談は、hey@jotme.ioまでお気軽にご連絡ください。





